痔の手術の体験談1 (肛門狭窄と慢性裂肛)

長年の悩みである痔の手術を受けてきたので、体験談を書く。

下に書くが、人の手術の体験談は、術後の痛みに悶える中で読むと、共感する部分が多々あって、大変励みになった。自分の体験談も誰かの励みになれば幸いだし、もし手術を検討している人がいたら参考になればいいなと思う。

なお、記事の内容上、生々しいことが書かれているので、食事中とかには読まないほうがいいだろう。

自分の症状と手術に至るまで

まず、自分の痔の症状に書く。
自分の痔は、切れ痔を繰り返しているうちにどんどん出口が狭くなってしまった状態。病名としては、慢性裂肛と肛門狭窄と言われる。切れ痔の発症は10年以上前にさかのぼって、市販の薬や病院の薬で対症療法的に対処していた。年単位で痔が問題ない期間もあったものの、ここ1~2年あたりは硬い便がでる度に、めちゃ痛い状態になっていた。

痛みは切れ痔だけが原因ではなく、外痔核(いわゆる「いぼ痔」)も発生していた。
いぼ痔は昔はミニボンビーって感じだったが、最近ではキングボンビー状態。ここまで成長してしまうと、すげー痛い。
いぼ痔の何が辛いって、切れ痔は薬で結構症状が緩和されるが、いぼ痔は薬を使っても、なかなか痛みが引かないところ。3日から1週間くらいで腫れがおさまるまでは、本当にしんどい。
(お医者さんいわく、肛門狭窄が悪化していくと、いぼ痔を誘発してしまうとのこと)

症状が治まっている間はまったく大丈夫なんだけど、きつくなる頻度と痛みレベルが悪化してきていた。自分としては、手術でこんな駄目駄目アナルから早く脱却したかった。しかし、1年程前にお医者さんに手術したいと伝えても、まだ手術には早いって感じで、首を縦に振ってくれなかった。

今思うと、通院時は、辛い症状がある程度収まってから行くようにしてたからかもしれない。(症状が辛い状態で、指を入れられる触診に臨むとくっっっそ!!!!痛いので)

そして、通院したある日、いつもどおり触診した後に、遂にお医者さんが言ってくれた。
「んー少し出血してますねー。手術を考えなきゃいけないですよー」
もう食い気味に「手術したいです!!!」って伝えた。こうして手術を受けることが決まった。

手術日を決めた後、日程を決めて手術前検査をすることに。血液検査や尿検査、心電図、肛門のしまりの検査、大腸内視鏡検査などなど。しまりの検査と大腸内視鏡検査は、初めて受けるので戦々恐々とした。ただ、しまりの検査に関しては肛門の入口に器具をいれられて(全然奥まで入れない)、締めたり緩めたりするだけで、痛くもなく楽だった。

大腸内視鏡検査に関しては、ちょっとしんどかった。浣腸後に、出口から内視鏡が侵入されるのだが、検査中に腸に空気をいれられるので、結構痛苦しい。人の体験談読むと、内視鏡を入れられるタイミングがめちゃくちゃ痛いみたい。まぁ腫れてたり、傷ついでいる場所に異物をいれられるわけだし、そりゃ痛い。自分はある程度、症状が落ち着いた状態で検査に臨んだので、少し痛い程度だった。

できるなら、自分と同じように症状を落ち着かせてから検査を受けるのがベストだろう。じゃないと、絶対くっっっそ痛い検査だと思う。

色々な検査を受けた結果、入院と手術が確定した。なお、手術説明の際に「いぼ痔もできるとかなり辛いんですけど、今回の手術を受けたら、いぼ痔もよくなるんですか?」って疑問をぶつけた。で、この際、前述の「慢性裂肛と肛門狭窄がいぼ痔を誘発してこと」と「この手術で改善することで、いぼ痔も良くなる」ことを教えてもらった。
正直悩みは、切れ痔だけじゃなかったからこの回答をもらって安心した。

入院した日

ようやく迎えた入院日。(手術は入院した日の翌日。
昼頃に病院に向かい、入院の受付をする。同じ日に入院する同志が8名くらいいた。
病室に案内され、売店で入院セットの購入を促されたので、購入。

入院セットには手術後に大活躍する座浴用の器具やナプキン、水が入っている。

一息ついてから、手術前の診療とあらためて手術の説明を受ける。
診療の内容は、通院の時と同じ。つまり、アナルに指をつっこまれるので、そこそこ痛い。その後、病室で待機していたら、翌日の午前中に手術を受けることが決まった。

最初の病院食である晩御飯には、おかゆ白身魚が出てきた。普通においしい。
夕食後には、翌日の手術に向けて、お腹を空っぽにする必要があるため、下剤をコップ一杯飲んだ。まずいのかと思ったら、味がすごい濃いスポーツドリンクって感じで、水と一緒になら苦も無く飲めた。

あとは消灯後、寝るだけ・・・なんだが、もうお腹がゴロゴロし始めてしまって、寝付けない。結局朝までに4回ほどトイレに行くことなって、浅い眠りしかとれなかった。二回目以降の排便は、水状態で、まるで急性胃腸炎みたいな状態だった。
下剤って結構辛いんだな・・・って思った。

そしてゲッソリした状態で手術日を迎えた。

手術へ

午前中に手術うける人は朝6時半から飲食厳禁とのこと。
ただ食欲は全然わかないので、これは苦じゃなかった。
朝に今度は座薬タイプの下剤をいれられ、再度トイレへ。もちろん水しか出ない。この段階で、固形状態のブツがでてきたらまずいらしい。

そして、手術着にきがえて点滴開始。
しばらくだらだらしてると、遂に手術室に呼ばれる。
最後のトイレへ行って、手術室へ。

手術台に横たわり、腰に麻酔がさされる。
痛さは、ほぼなかった。えっもう麻酔終わったの?って感じ。
麻酔後、うつ伏せになり、手術が開始された・・・はず。

というのも、ぶっちゃけると、ここらへんからまじで記憶が曖昧。
手術には30分ほどかかるらしいんだけど、気づいたら、手術終わりましたよと声がかけられた。どうやら寝てた模様。

そして「気分を落ち着かせる薬を打ちますか?」と尋ねられ、よく分からないけども、とりあえず了承した。(尋ねられたのは手術前かもしれない。それくらい記憶が曖昧

さらに次に意識が覚醒したときは・・・病室で仰向けに寝ていた。
なにがなんだか分からない状態で、下半身はしびれていて、手とかは動かせる。
こういう麻酔を受けたのは初めてだったので、麻酔すっごい!と思った。その後も、眠気がきつかったのでまた寝入った。

くそ辛かった術後から翌日まで

14時くらいに目が覚めた。

手術うけてから4時間経過してから、水が飲めるように。
下半身も普通に動かすことができる。ただ、手術うけた日は翌日朝まで絶対安静とのこと。痛みは全然せず、体を起こさなければ腕は動かせるので、スマホをいじって時間を潰した。

この時点では、余ッ裕じゃ~んって感じだった。

しかしそんな余裕も麻酔が切れ始めてから終わった。徐々に痛みが増してきた。
肛門あたりからジンジンと痛み、全身にひびく。夕方ごろにはとても辛い状態に。
地獄の時間が始まった。

痛みも辛いんだけど、腹にガスが溜まっている感じがあり、そのせいでめちゃトイレ行きたくなる。しかし翌日朝まで、トイレには行けない。「なんか出そう」という恐怖がつきまとい、念のためオムツをつけさせてもらうことに。

時刻を確認しても、まだ夕方前。
めちゃくちゃ痛いのと苦しさの二重苦がまだ少なくとも12時間以上続いて、起き上がることもできないと思うと絶望した。

痛み止めとしてヒスタミンを出されるが、これがまったく効いた感じがしない。
とにかく痛い!痛すぎる!!!って思考に頭が埋め尽くされた。いぼ痔とか、切れ痔とかはどんなに辛い症状になっても寝ることはできる痛みだったが、この段階の痛みはそれを超えていた。

悶絶しながら18時頃。
寝てしまうのが一番良いんだろうけど、痛みで1ミリも寝れる気がしなかった。
あまりの痛さに手術うけたことを後悔したくらい。

寝れないので、気を紛らわす手段として、スマホで同じ手術を受けた人の体験談を探し出して、痛みで中断しつつも読んで励みにしたり、共感していた。

20時頃、尿意があったので横に寝ながら尿瓶に出す。痛みで、でそうで出せなかったが粘りに粘ってようやく出た。なお自分で出せない場合は、イチモツに管を入れられることになる。管回避できてホッとした。

便のほうはオムツをしてるけども、結局は出ない。出るのはガスだけ。苦しい。
やっぱり寝てる態勢じゃ無理なんじゃ・・・。しかし、看護師さんに「やっぱりトイレに行きたいっす」って泣き言をもらしても、絶対駄目って却下される。


21時消灯
電気が消えたけど、まったく寝れる気がしない。
痛い痛いと苦しんでいると、点滴タイプの痛み止めが処方される。
看護師さんに、点滴もきかなかったら、筋肉注射しましょうねって言われる。よく分からないけど、痛みを消してくれるなら注射でもなんでもやってくれって心境だった。

22時頃
痛み止めの点滴が全然効いた気がしない。それを看護師さんに伝えたら、注射を持ってきて肩らへんにさされる。これはなんと!めちゃくちゃ効いた!痛みが劇的に曖昧になった。筋肉注射すげぇなんだこれ!って思ってたら、眠気が。あっこれなら寝れそうって考えてたら寝れた。

深夜1時頃
朝まで寝れたらよかったのに、目が覚めてしまう。痛みもじわじわと復活してきた。
痛みが復活したら寝れる気がせず、早く時間よ過ぎてくれって祈る。
そうしてたら看護師さんが様子を見に来た。辛いときの看護師さんは、まじ天使に見える。痛みがぶり返してきたことを伝えたら2回目の筋肉注射をうつことに。筋肉注射は2回までにしか打てないとのこと。注射されると、また眠ることができた。もう朝まで目は覚めないでくれって祈った。


朝4時頃
また目が覚めてしまう。ただ、痛みは大分ましになっていた。
あとは朝まで耐えるだけと思い、スマホをいじりながら起床時間(朝6時)まで時間を潰した。

朝6時頃
まだ起き上がっては駄目だが、起床の時間になった。耐え抜いた。
ここから術後1日目となる。

術後1日目

看護師さんに支えられてトイレへ。
四苦八苦しながら小をしてベットに戻る。
痛みの峠を越えた感じがしたが、まさに「憔悴」って状態になっていた。

朝7時頃に食事として、おかゆと具なし味噌汁が出てきた。食欲はあったので完食。峠を越えた痛みは、まったく眠れる気がしないレベルから、頑張れば寝れそうなレベルの痛みになっていた。ベットからいつでも起き上がれるようになったのもあって、大分精神的に楽になった。

そして、朝昼晩にのむ薬の説明をうけた。軟便剤や抗生物質などの三種類。粉状の薬はめちゃ苦くて、食事のおいしかったーって余韻が吹っ飛ぶまずさ。朝9時ごろに痛み止めとして、ヒスタミンを飲む。前日に飲んだときはくその役にも立たなかったが、この日は効いてきた(気がする)。

そして、お尻だけを暖める座浴をすることに。

これは極楽だった。痛みはやわらぐし、尻から滲出液が意図せず噴出してくるので、すっきりする。ただし、初めてやったときは、着ていた手術着がびちゃびちゃになった。個室トイレにタオルを持ち込むのは必須だなって思った。座浴は手術日翌日のこの日は、二回までやっていいとのこと。

昼12時
昼食が出てくる。トイレとベットの間しか往復できない体だが、食欲はある。もうメニューも普通食で食欲をそそる。しっかり噛むようにして、完食。めちゃくちゃうまかった。薬が苦くて食事の余韻が吹っ飛ぶが。

そのあとは、スマホをいじりつつ安静にしていた。痛みは、かなり和らいでいて余裕がでてきた。ただ、困ったことに、常時腹がゴロゴロなって、噴出する液があり、下着に貼るナプキンは必須。(売店で入院日に買う)

夜6時
晩飯。余裕で完食。病院食がうまい。

夜9時
就寝時間。寝れるだろうかと思ってたら、即寝入っていた。
夜寝れるために昼は寝ないようにしてたし、その程度には痛みも引いていた。
なお、この日は排便は一回もなかった。

こうして、入院から手術、術後1日目が終わった。

思えば、手術後の痛みは、麻酔がきれた後から筋肉注射をうつまでの時間帯が一番痛かった。この後も、痛かったりするんだけど、痛みレベルはこの時間帯を超えることはなかった。そして、手術そのものは麻酔のおかげでまったく痛くない。

なので、これから手術を受けようって考えてる人には「筋肉注射をうてる時間帯まで頑張れ!」とエールを贈りたい。

記事中に「手術を受けたことを後悔~」なんて書いたけど、痛みさえ引けば手術受けて良かったって心境に変化するので、初日を耐えて耐えぬくしかない。頑張ってほしい。


つづきの記事では退院まで書いていく予定。